ここまでお伝えしてきたとおり、厚生労働省は調剤薬局に対して、従来の門前薬局からかかりつけ薬局への移行を推奨しています。
その背景には在宅医療・在宅介護の推進があり、薬局としては在宅医療患者への指導を進めていかなければなりません。
参照元:厚生労働省「在宅医療・介護の推進について」[PDF]https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/dl/zaitakuiryou_all.pdf
薬局が在宅訪問「居宅療養管理指導」を始めるにあたり、まずは「在宅訪問薬剤管理指導」の届出が必要になります。介護保険がある患者に関しては、保険薬局に指定された薬局であれば「介護保険事業者」とみなし指定になるため、特に手続きは要りません。しかし介護保険がない患者に対して在宅医療を行う場合は、所轄の厚生局に届出が必要になるのです。
厚生局のホームページからでも届出状況を確認でき、まだ届出を行っていない場合には「在宅患者訪問薬剤管理指導の届出」の書類について、管轄エリアの厚生局HPからダウンロードする必要があります。届出は郵送でも提出できるため、手続き自体はそこまで負担にはならないでしょう。
在宅医療(訪問調剤)を始めるまでの流れは、大きく以下のようになります。
まずは届出を行った上で、訪問調剤が決定されたら訪問回数などの訪問計画を立て、実際に服薬指導を行います。
薬局が在宅医療を行うにあたり、最も重要なのは訪問計画の時点で医師から患者の病状や訪問指導の内容を丁寧に共有してもらうことと、医師との連絡・相談を行うことです。
また、服薬支援としてお薬の配達以外にも、薬剤師から患者に対して手助けとなるような様々な服薬支援の提案を行います。例えばお薬を服用タイミングに合わせて一包化したり、飲みやすいよう粉砕したりなど…。飲み忘れを防ぐためにお薬カレンダーを作成することもあります。
また、服薬によって患者に体調変化が生じる可能性もあるため、副作用と日常生活の変化を結び付けやすいようサポートすることも欠かせません。
厚生労働省からの指導により、薬剤師は以下の項目を求められています。
これらをまとめると、在宅医療患者への最適かつ効率的で安全・安心な薬物療法の提供が薬剤師に求められているということです。もちろん、在宅医療における薬剤関連の問題点は多くあります。
在宅医療はどうしても高齢者が多くなるため、加齢による合併症とそれに伴う多剤併用傾向はいかんともしがたく、重複投薬や相互作用のリスクが高い状態です。
視力や嚥下能力も低下するので、服薬方法の支援も欠かせません。高齢者は内蔵機能も低下しているので、体内薬物動態の変動や、個々の患者さんの生理機能に応じた処方、調剤、服薬管理も必要です。ひと口に在宅医療といっても、これだけの視点がかかりつけ薬局の薬剤師に求められるのです。
参照元:厚生労働省「在宅医療における薬剤師の役割と課題」[PDF]https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000zap2-att/2r9852000000zatv.pdf
上記のとおり在宅医療推進が求められている現在、薬局内だけでなく訪問先でも操作・入力できるクラウド型の電子薬歴が注目されています。
その場で薬歴を入力することで電子薬歴の入力漏れやミスを防ぐことができ、薬歴入力の効率化も実現できるのです。
本サイトでは「クラウド型」「レセコン一体型」「ハイブリッド型」という種類ではなく、それぞれの薬局が何をもって電子薬歴を選ぶべきか、3つの観点からそれぞれの目的別に電子薬歴を紹介していますので、ぜひ自社に合った電子薬歴選びの参考になさってください。
近年、調剤薬局の形態も多様化しており、様々なタイプに分かれています。
ここではそんな薬局を以下の3タイプに分類し、それぞれにおすすめの電子薬歴をご紹介します。
引用元:シグマソリューション公式HP
https://www.sigma-sol.co.jp/products/elixirs/index.html
便利な機能例
引用元:メディクス公式HP
https://medixs.jp/
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引用元:Solamichi公式HP
https://site.solamichi.com/
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