電子薬歴システムにおいて、生成型AIを活用した開発プロジェクトが着手されました。このページでは、生成型AIの開発プロジェクトについて分かりやすく紹介します。
東日本メディコムでは、電子薬歴システム「DrugstarPrime」でChatGPTなどを活用したAIサービスで利用されている大規模言語モデルを用いたサービスや機能開発を行っています。
まずは医薬品に関してのQ&Aや情報支援を行い、薬局業務の効率化を図っていきます。その一例として、医薬品情報を電子薬歴システムから大規模言語モデルに引き渡し、誤った情報が生成されるのを防ぐなどのケースです。
電子薬歴システム「DrugstarPrime」とクラウド薬歴「DrugstarLead」が双方向に連携を図ることで、保険調剤薬局による効率性アップや患者への利便性の高いサービスを提供。次世代薬局ソリューションを実現することを目指しています。東日本メディコムでは、「全ての人に安心・安全」をキーワードとして、継続的なフォローや地域医療連携が図れるようなAIシステムを目指し、薬局業務をしっかりとサポートできるようなシステムを開発しています。
参照元:東日本メディコム公式HP(https://www.e-medicom.co.jp/information/post-2952/)
カケハシ株式会社は、これまで在庫管理で培ったAI技術を活用し、調剤業務領域にも生成AIを導入しています。特に注力しているのが、薬歴作成の効率化です。
同社が提供する「Musubi」の運用ノウハウをAI技術と組み合わせ、患者ごとの薬歴作成を効率化するシステムを開発しています。このシステムでは、処方受付から服薬指導、服薬期間中のフォローに至るまで、薬局業務の流れ全体を考慮したサポートが可能です。これにより、薬剤師が現場で効率的かつ的確に業務を遂行できる環境を提供します。
参照元:Musubi公式HP(https://musubi.kakehashi.life/news/20240917)
日本調剤株式会社が導入を開始した「corte」は、生成AIを活用して服薬指導中の音声データを自動的にテキスト化し、必要な薬歴情報を簡単に記載できるシステムです。
具体的には、指導中に録音ボタンを押すだけで、患者との会話内容を要約し、薬歴記載用の文章として出力します。この技術により、通常の薬歴作成で必要とされる1日平均1時間25分の作業時間が大幅に削減されると期待されています。
参照元:日本調剤|日本調剤、AI薬歴作成支援サービス「corte」の導入を開始 ~薬剤師の対物業務を効率化し、医療の質向上へ~(https://www.nicho.co.jp/corporate/newsrelease/20241113_nr1/)
ChatGPTは大量のテキストデータの中から言語パターンを学習し、その結果人間が使うような自然な言葉使いや表現ができるシステムです。自然な対話もできるなど、日々進化し続けています。そんなChatGPTを利用すれば、さまざまなことができるようになるでしょう。
薬局業務だけでなく、あらゆる業務を誰もが行えるようにするためにはマニュアル作りは大切です。ただマニュアル作成・変更などは非常に難しく、多くの時間・労力が必要になってしまいます。しかしChatGPTを活用すれば、自然な文章を作り、ソースコードや業務マニュアルを効率的に作り上げることが可能です。マニュアル作成の工数が削減できるだけでなく、シェア自体も容易になるなどのメリットがあるでしょう。
ChatGPTを利用すれば、在庫管理に必要なSQLの作成も可能です。データベースと連携を図ることで、自然な言語かつクエリ操作・検索なども可能で、在庫管理も容易になるでしょう。さらにコストダウンにもつながるといったメリットもあります。
ChatGPTを用いた社内AIの開発を行えば、社員は気軽にAIチャットサービスを使用できます。セキュリティ環境下で、商品開発に向けた技術を検証できるため社員も安心して利用しやすいでしょう。
ハルシネーションとは、人工知能の幻覚とも言われているものです。生成型AIの課題の一つで、大規模言語モデルが嘘をつくリスクが高いという点は根本的な課題となっています。ハルシネーションを100%防ぐことは非常に難しいですが、商用利用するうえでハルシネーションを予防しつつ、精度をアップする手法はいくつかあるでしょう。たとえばFAQに関わる内容のデータベースを前もって準備し、それを大規模言語モデルがアクセスしやすいようにマッチさせることで、データベース内容を事後学習させることが可能です。そう言った対策を講じることで、ハルシネーションの課題解決につながるでしょう。
東日本メディコムは、このハルシネーションに対しても対応する予定であり、より使いやすく精度の高いシステム構築を目指しています。大規模言語モデルが得意としている部分を見極めながら、精度・コスト・速度などトータルで最適なシステムに仕上げることを目指しているのでしょう。
生成AIの導入により、薬剤師の負担を軽減しながら業務効率を向上させるだけでなく、薬歴記載における重要な情報の抜け漏れを防ぐことが可能です。
さらに、AIによる自動化は、記載内容の客観性を高めるため、薬歴の質向上にも寄与します。音声データを活用した仕組みでは、音声での入力によって薬歴記入の負担を抑えることも可能となるため、薬剤師が対人業務に集中することも可能となるでしょう。
ただし、AIの活用においては安全性や倫理面、個人情報保護への配慮が欠かせません。国が定めるAIガイドラインを遵守しつつ、各薬局や患者ごとのニーズを踏まえたシステム設計を行うことで、患者にとっても安心して利用できる生成AIの活用が進められるでしょう。
厚生労働省が掲げる「患者のための薬局ビジョン」に基づき、薬剤師は地域包括ケアシステムの中で対人業務に重点を置くことが求められています。この変化を支えるため、生成AIは薬歴作成の効率化を通じて、医療の質向上や人手不足解消に寄与する可能性があります。
生成AIを活用した電子薬歴システムが広く普及することで、調剤薬局全体の業務効率化や患者サービスの向上が実現することが期待されています。
参照元:厚生労働省|「患者のための薬局ビジョン」~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000102179.html)
近年、調剤薬局の形態も多様化しており、様々なタイプに分かれています。
ここではそんな薬局を以下の3タイプに分類し、それぞれにおすすめの電子薬歴をご紹介します。
引用元:シグマソリューション公式HP
https://www.sigma-sol.co.jp/products/elixirs/index.html
便利な機能例
引用元:メディクス公式HP
https://medixs.jp/
便利な機能例
引用元:Solamichi公式HP
https://site.solamichi.com/
便利な機能例