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電子薬歴の乗り換えは面倒?

現在使用している電子薬歴に不満があっても、データ移行などがきちんとできるかどうか不安で乗り換えを躊躇している薬局も多いかもしれません。

ですが、電子薬歴データ交換仕様に関する連絡協議会に登録している機種であればデータ移行は可能です。

乗り換えがしやすい電子薬歴は?

日本薬剤師会より「薬歴簿の電子保存に関するガイドライン」が公表されたのは2002年のことですが、今日までの電子薬歴の進化は目覚ましく、現在では多くの薬局に電子薬歴が導入されています。

当初は紙薬歴に代わって保存するという原始的な使用目的でしたが、現在では業務効率化によって薬剤師本来の職能をサポートする電子薬歴へ進化していることは当サイトでお伝えしているとおりです。

薬局を取り巻く環境も大きく変化しており、厚生労働省が求める次世代の「健康サポート薬局」「かかりつけ薬剤師」を実現するために電子薬歴は欠かせないツールとなりました。すでに電子薬歴を導入していても、期待される薬局へと進化するため、ニーズに即した電子薬歴への移行を検討する薬局も増えています。

ただ、電子薬歴を乗り換えると決めても、データの移行がスムーズにいくかどうかは別の問題です。そこで注目したいのが「電子薬歴データ交換仕様に関する連絡協議会」です。
この協議会に加盟している電子薬歴メーカー同士であれば、データの移行はスムーズです。

電子薬歴データ交換仕様に関する
連絡協議会とは

「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」では、医療情報を長期保存する際にはシステム更新があっても情報の互換性を保ち、旧システムで保存された情報も読み出せるという新旧システムでの相互利用性を確保することを医療情報システムの必須要件としています。

これは電子保存の見読性および保存性原則確保の点からみても当然のことです。今後もさらに電子薬歴が進化し、そして普及していくために、電子薬歴を乗り換える際にデータをスムーズに移行できる環境を用意することはメーカーの責務ともいえるでしょう。

この趣旨に賛同した電子薬歴メーカーによって発足したのが「電子薬歴データ交換仕様に関する連絡協議会」です。
この協議会に加盟している電子薬歴メーカーはデータ移行に関する中間ファイルの標準仕様を共有しているので、他社の電子薬歴への乗り換えの際にはスムーズなデータ移行が可能となるのです。

※参照元:厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版」[PDF](平成29年5月発表)(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000166260.pdf)

紙媒体から電子薬歴へ移行した薬局の事例

実際に紙媒体から電子薬歴に移行した薬局の事例をもとに、移行の流れや期間、移行によるメリット・問題点を紹介します。

電子薬歴へ移行するまでの流れと期間

新患から電子薬歴を部分的に導入し、来局履歴がある患者さんについては従来の紙媒体で業務を行いながら、徐々に電子化へと移行する流れとなりました。電子薬歴の導入開始から7ヶ月後に施設関連の移行が完了し、その1ヶ月後にすべての外来患者の移行が完了しています。

ただし、事務で使用しているレセコンと薬剤師が使用する電子薬歴では情報をすべて共有するのが難しかったため、電子薬歴に切り替え後も3ヶ月間は確認のために紙薬歴も一緒につける作業が必要でした。薬剤師からの申し送りと紙薬歴の入出力に時間がかかり、切り替えがすべて完了するまでに開始から1年ほどかかっています。

移行した際の問題点

事務で使用しているレセコンと電子薬歴での情報共有が難しかったため、すべての患者さんが電子薬歴に移行した後も、薬剤師側からの申し送りについては現在も紙媒体で行われています。そのため、電子薬歴への切り替え当初は薬剤師側からの申し送りの共有にタイムラグがあり、事務側とうまく情報を共有できていないこともあったそうです。

今後想定される問題点としては、紙媒体で行われている申し送り情報の電子化やレセコンと電子薬歴の共有、在宅関連業務における対応があげられます。紙媒体の申し送り情報については、現在2ヶ月ほど廃棄せずに保管されているとのこと。これらの問題点をどう改善していくのかが、電子薬歴の移行によって考えなければいけない課題です。

電子薬歴への移行のメリット

電子薬歴への移行により得られたメリットとして、以下のことがあげられています。

特に紙薬歴の保管・管理については、薬歴の期限(3年)を迎えれば廃棄可能になるため、その後は薬局内のスペースを新たに確保できるのが魅力です。確保したスペースを領収書控えやレセプトなどの書類関連の保管場所に使用したり、レセプト処理や口座振替などの事務作業の場所としたり、と有効利用ができています。

※参照元:有限会社ファルマやまがた 鶴岡ひまわり薬局:事務(PDF)(https://www.himawari-y.co.jp/pdf/2013.5.pdf)

電子薬歴への移行では「電子保存の三原則」に注意

電子薬歴を導入する際は、電子保存の三原則についても押さえておく必要があります。電子保存の三原則とは医療データを電子化して保存する場合に必ず守らなければいけない原則のことで、「真正性」「見読性」「保存性」の3つに分類されます。電子保存の三原則を守らなかった場合は罰則を受ける可能性があるため、電子薬歴の取り扱いには注意が必要です。

電子薬歴を適切に運用・管理するためにも、電子保存の三原則についてしっかりと確認しておきましょう。

電子保存の三原則を
詳しく見てみる

まとめ

新しいシステムに入れ替えるのは何かしらの抵抗があるもので、乗り換えの手間を考えると気が進まないかもしれません。しかし、今後求められる調剤薬局の役割を考えると、業務上非効率なシステムを使用するべきではありません。

電子薬歴にはさまざまな機種があり、服薬指導の向上を図れるものもあります。そういった機種への乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。

3つの観点から選ぶ
自社に合った電子薬歴とは

電子薬歴選びの
3つのポイント

調剤薬局でもIT化はとどまるところを知らず、電子薬歴の普及率は80%を超えています(※)。様々な製品が開発・改良される中で、電子薬歴が業務を効率化できるというのは、もはや当たり前。
他方で、一体型、クラウド型、ハイブリッド型といった製品タイプだけで選ぶべきではありません。
製品選びで重要なのは、その上でさらに何を電子薬歴に求めるかなのです。

ここでは、Google検索「電子薬歴」でヒットした36製品を調査(2022年2月9日時点)。「指導文作成を効率化する機能」「処方監査機能」「サポート体制完備」「在宅訪問に対応」といった、基本的な機能が搭載されている電子薬歴の中で、「機能」「費用」「ユーザーコミュニティ」の3つのポイントに沿っておすすめの製品を紹介します。

※参照元:厚生労働省「かかりつけ薬剤師・薬局に関する調査報告書[PDF](https://www.mhlw.go.jp/content/000509233.pdf)
ハイブリッド型
【機能】で選ぶなら
エリシアS
エリシアS

引用元:シグマソリューション公式HP
https://www.sigma-sol.co.jp/products/elixirs/

こんな薬歴
  • 患者一人一人にあわせた指導文を簡単に作成

  • 経営を強化できる機能を
    多数搭載&経営支援も

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【費用】で選ぶなら
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引用元:アクシス公式HP
https://medixs.jp/

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【ユーザーコミュニティ】で選ぶなら
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Musubi

引用元:カケハシ公式HP
https://musubi.kakehashi.life/

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  • 課題を共有し意見交換ができる
    交流会を開催

  • 各分野の専門講師
    によるセミナーで
    スキルアップ

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電話で製品について
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Musubiの
コミュニティ
の詳細を見る

※選定条件:Google検索「電子薬歴」でヒットした36製品(2022年2月9日時点)のうち、「指導文作成を効率化する機能」「処方監査機能」「サポート体制完備」「在宅訪問に対応」機能が搭載されている電子薬歴の中から、それぞれ以下の条件で選定。
※機能で選ぶなら:指導文について、定型文ではなく自分で考え、編集できる機能が唯一ある
※費用で選ぶなら:端末が増えても追加費用が掛からない電子薬歴の内、更新費用が無料と公式HPに明記されている製品
※ユーザーコミュニティで選ぶなら:ユーザーが参加できる交流会を唯一開催