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「電子カルテ情報共有サービス」の活用要件に関する経過措置が延長

医療DX推進体制整備加算を算定するうえで、薬局や医療機関に求められる「電子カルテ情報共有サービス」の活用。当初、システム導入の猶予として設けられていた経過措置の期限が迫っていましたが、厚生労働省より期限の延長が発表されました。

本記事では、経過措置が延長された背景や、猶予期間が生まれたことで調剤薬局が今からどのような準備を進めるべきかについて解説します。

医療DX推進体制整備加算における「電子カルテ情報共有サービス」の要件とは

全国の医療機関・薬局で「6情報」を共有する仕組み

電子カルテ情報共有サービスとは、患者の傷病名やアレルギー情報、感染症、薬剤禁忌、検査値、処方情報といった「6情報」をクラウド上で共有できる国のインフラです。

医療機関や薬局の間で必要な情報を参照できるため、疑義照会や重複投薬チェックの精度向上に寄与し、安全で質の高い医療提供につながることが期待されています。

加算算定の「必須施設基準」として設定

令和6年度の診療報酬改定で新設された「医療DX推進体制整備加算」では、電子カルテ情報共有サービスを閲覧・活用できる体制の整備が施設基準の一つに位置付けられています。

薬局ではこのほか、マイナ保険証(オンライン資格確認)の利用率基準の達成、電子処方箋への対応、医療情報システム安全管理ガイドラインに準拠したセキュリティ確保なども求められます。

※参照元:厚生労働省|【PDF】電子カルテ情報共有サービスについて
(https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001322787.pdf)

「電子カルテ情報共有サービスの活用体制」の経過措置が延長へ

当初の期限から「2026年5月末」へ延長

厚生労働省の発表により、電子カルテ情報共有サービスの活用体制に関する経過措置は、当初の2025年9月30日から約8ヶ月間延長され、令和8年(2026年)5月31日までとなりました。

あわせて、マイナ保険証利用率の要件も段階的に引き上げられる予定で、令和7年10月から令和8年2月までは加算1・4で60%、令和8年3月から5月末までは70%が目安として示されています。

※参照元:厚生労働省|【PDF】医療DX推進体制整備加算の見直し(令和7年10月以降)
(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001439601.pdf)

経過措置が延長された背景

今回の延長は、サービス本格稼働に向けた関連法案の審議状況や、システムベンダー側の開発進捗、医療現場のインフラ整備状況を踏まえた、現実的なスケジュール調整と位置付けられます。

具体的な理由としては、①システム開発や提供の遅延、②医療DX関連法案の国会審議の遅れ、③現場における準備負担への配慮、の3点が挙げられており、現場実態を踏まえた救済措置としての側面が強い対応といえます。

※参照元:ROP
(https://s-rop.jp/【薬局向け】電子カルテ情報共有サービス経過措/)

調剤薬局への影響と、猶予期間中に対応すべきポイント

システム改修費用の捻出とスケジュール見直しのチャンス

期限が延びたことで、未対応のシステムを慌てて導入するといった見切り発車を避け、自局に最適な電子薬歴・レセコンをあらためて比較・選定したり、ベンダーの対応を待って計画的に乗り換えたりする余裕が生まれます。

まずは自局のITインフラの状況、マイナ保険証の利用率、システム投資に充てられる予算を整理し、延長後の期限から逆算した導入・改修スケジュールを組み直すことが重要です。

利用中の電子薬歴・レセコンベンダーへの状況確認

猶予ができたとはいえ、期限ギリギリの対応はトラブルの原因となります。現在利用している、または導入を検討している電子薬歴システムやレセコンが、電子カルテ情報共有サービスの規格(HL7 FHIR等)にいつ連携対応するのか、また改修費用がどの程度発生するのかを、早めにベンダーへ確認しておくことが望まれます。

2026年3月にクリニックや中小病院向けの「電子カルテ及びレセプトコンピュータ標準仕様」が公開されました。医科側でこの標準仕様に準拠したシステムの導入が進むため、薬局の今後の製品選定においても、これらの医科システムとスムーズに情報共有できる規格(HL7 FHIR等)に対応しているかどうかが、重要な判断材料となります。あわせて、マイナ保険証受付の実務研修など職員教育の整備や、医師会・訪問看護ステーション・他薬局との地域医療連携の強化も、猶予期間中に並行して進めておきたい取り組みです。

※参照元:厚生労働省|電子カルテ及びレセプトコンピュータ標準仕様(基本要件)
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/standardspec.html)

まとめ:次期診療報酬改定(2026年度)を見据えた準備を

経過措置が切れる2026年5月末の直後には、令和8年度の診療報酬改定が控えており、「電子的調剤情報連携体制整備加算」への移行など、要件や加算の枠組みが大きく変わる可能性があります。

猶予期間を単なる先送りと捉えず、オンライン資格確認や電子処方箋も含めた「薬局DX」の基盤を着実に整えていくことが、今後の安定した薬局経営と質の高い医療提供の両立につながります。

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