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2026年度の診療報酬改定はどうなるのか?

2025年末、政府は2026年度(令和8年度)の診療報酬改定における改定率を決定しました。全体では3%を超えるプラス改定となりましたが、その内訳を紐解くと、調剤薬局にとっては決して楽観視できない数字が並んでいます。

本記事では、今回の改定の全体像と調剤報酬への具体的な影響、そして厳しい経営環境下で薬局が取るべき「DX戦略」について詳しく解説します。

2026年度診療報酬改定の全体像

2026年度(令和8年度)の診療報酬改定において、診療報酬本体の改定率は国費ベースで「+3.09%」となることが決定されました。数字だけを見ると大幅な引き上げのように感じられますが、この増額分の多くは医療や介護に関わる従事者の「賃上げ」に向けた特例的な財源として割り振られています。

こうした対応の背景にあるのは、長引く物価高騰と他産業を中心とした賃金上昇です。医療現場においても優秀な人材の確保や、既存職員の適切な処遇改善が急務となっており、国としてそのための原資を手当する狙いがあります。そのため、基本料の底上げによる純粋な収益増加に直結するわけではなく、人件費への確実な還元が前提となる、用途が限定されたプラス改定である点に注意しなければなりません。

※参照元:1POST/26年度診療報酬改定、本体+3.09%で決着──リハ職含む賃上げ3.2%を明記、病院に手厚い配分
(https://1post.jp/8189)

調剤の「その他改定分」は+0.08%という厳しい現実

全体としてはプラスとなった一方で、賃上げや物価対応分等を除いた純粋な評価部分(その他改定分)の各科への配分を比較すると、医科が「+0.28%」、歯科が「+0.31%」であるのに対し、調剤は「+0.08%」と低い水準に留まりました。調剤部門に対する評価の厳しさが浮き彫りになる結果といえます。

さらに個別改定項目に目を向けると、敷地内薬局(いわゆる門内薬局)に対する評価の適正化として、減算措置などの厳しい内容が継続されています。特定の医療機関に依存するビジネスモデルへの風当たりは依然として強く、基本料の引き下げ等が薬局経営をダイレクトに圧迫する要因となっているのです。

賃上げ対応や物価上昇によるコスト増が重なる中、この「+0.08%」という低い配分では十分な手当てとは言えません。表面上のプラス改定に隠された「実質的なマイナス感」に対して、現場では危機感が募っているのではないでしょうか。

※参照元:厚生労働省/【PDF】賃上げについて(その2)(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001631270.pdf)
※参照元:厚生労働省/【PDF】個別改定項目について(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001639439.pdf)

加算の取りこぼしを防ぐ「電子薬歴(DX)」の重要性

調剤基本料が伸び悩む現状において、収益を確保し経営を維持するためには、各種加算の効率的な取得が必要です。とくに注目すべきは、「電子的調剤情報連携体制整備加算(現行の医療DX推進体制整備加算)」や「地域支援・医薬品供給対応体制加算(現行の地域支援体制加算)」への対応です。

今回の改定では、前者は「電子処方箋システムによる重複投薬等のチェック体制」が必須化され、後者はこれまで単独であった「後発医薬品調剤体制加算」が廃止され要件が整理されるなど、算定のための施設基準やレセプト管理がさらに厳格化・複雑化しています。限られたマンパワーでこれらの要件を満たすには限界があり、スタッフの業務負担を増やすだけになりかねません。そこで重要となるのが、「電子薬歴システム」を活用した業務の自動化と効率化です。

電子薬歴の入力補助やレセコン連携機能を駆使すれば、加算要件の確認漏れを防ぎつつ、事務作業の時間を大幅に短縮できます。残業代などの固定費を削減できれば、国が求めるスタッフの賃上げ原資の捻出にもつながるでしょう。削減した時間を服薬指導などの「対人業務」へシフトすることが、今後の薬局経営を支える鍵となります。

※参照元:厚生労働省|【PDF】個別改定項目について(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001639439.pdf)

まとめ

2026年度の診療報酬改定は、調剤薬局に対してこれまで以上に医療提供の「質」と業務の「効率」を厳しく問う内容となっています。

今後も国が主導する医療DX化の流れは加速していくと予想されます。この変化に乗り遅れないよう、電子薬歴システムへの投資を行い、日々のオペレーションを抜本的に刷新していくことが重要です。徹底した業務効率化によって加算を確実に取得する体制づくりが、今後の薬局経営を支える強固な基盤となるでしょう。

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